空港というと、まずは航空機での移動を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は二次交通(※1) の役割がとても重要だということをご存じでしょうか。
標高332mの立地にある広島空港は、鉄道が通っていませんので、空港⇔広島市内、空港⇔福山など、メインアクセスはリムジンバスとなります。私たちの役割は、航空会社とバス・タクシーなど、交通事業者さまとの間に入り、旅客の円滑な二次交通利用のため最適化をすることが最大の目的です。例えば、航空機のダイヤ変更と二次交通の運行ダイヤ改正の相互リンクさせることで『せっかく空港に到着したものの、バスが既に出発していた』ということや『乗りたい飛行機にマッチした時間帯のバスがない』といったお客さまのフラストレーション解消にも繋がります。現状満足せず、お客さまのニーズに最大限応えられるサービスを目指し続けます。
※1 二次交通とは
拠点となる空港や鉄道の駅から、観光目的地まで行くための交通手段のことを指します。複数の交通機関を使用する場合、2つ目の交通機関を指すこともあります。 例えば、鉄道や空路、自家用車で目的地の近くまで行く場合、そのあとに乗る路線バスやシャトルバスが二次交通です。
航空営業本部 利用促進部
飛行機に乗るために空港へ行く。広島空港到着後、次の目的地へ行く。この間に利用する『交通手段』の円滑化を担当しています。
「せっかく空港に到着したものの、バスが既に出発していた」や「乗りたい飛行機に合う時間帯のバスがない」などが発生した場合、せっかくの旅行やビジネススケジュールが台無し。そうならないように、お客さまの目的地が広島空港ではないケースも多いので、空港に降り立った方が可能な限り待ち時間が無いように、私たちが航空会社とバス・タクシー会社などと運航情報を双方連携して時間調整など、間に入って活動しています。
これは駐車場も同様。お客さまは空港利用のために駐車場を利用して頂いておりますが、駐車場を利用するのに渋滞したり、満車状態が続くと、航空機への乗り遅れなどが発生してしまう可能性がございます。空港を利用していただくお客さまが安心して航空機移動をしていただける環境づくりが私たちの取り組みです。
最近は旅行先で公共交通機関を使って動けるのが良いという方も増えてきた。また免許を持っていない若者も多く、公共交通機関での移動が旅の手段になっている背景もございます。更に昨今、宿泊先以外ノープランで旅行に出かける方もいらっしゃるので、広島空港、そして広島空港からの体験事自体で地域を感じられるものを提供したいと考えている。このような大きなプロジェクトは、私たちはもちろん、行政も巻き込んでいかなければ進めることはできない。そのため、行政・事業者も含め三位一体になってひとつの目的「広島空港を利用してもらう、中四国を楽しんでいただく」につなげていきたいと考え、旅客ターミナルの改修にも進めている。
例えば、バス・タクシーは乗り場では、乗り遅れてはいけないという焦りがあり、30分以上前から早めに待っている人が多かったが、待合が屋外にあるため、寒い中・熱い中でも外でお待ち頂いていた。今回の改修にて通路を屋内化し、商業スペースも大幅にリニューアル。ちょっとした待ち時間に買い物や食事を楽しんでいただけるような取り組みを実施。また長時間にわたる航空機での移動で初めて降り立った広島空港到着ロビーでたくさんのお客さまに広島を感じていただけるような取り組みも予定しております『旅が始まったぞ!』というワクワク感を盛り上げながら、次の目的地へ向かっていただくための空間づくりが改修計画の中にあります。
常に、相手(つまりお客さま)の立場になって企画提案を伝える。お客さまにとってどんなメリットがあるのだろうか?この企画があれば空港を利用しようと考えるきっかけになるか、という視点を大事にしている。それは、交通事業者や航空会社、そして社内でも同様です。二次交通の知識や経験がない方でも、例えば趣味などにおいて、旅行や公共交通機関を利用しての移動などがお好きであれば、ご自身の経験などから、いろいろなことが想像しやすいと思います。地域や土地勘なども同様です。
目的地と合わせて交通機関を利用しての移動も旅のひとつ、旅行の醍醐味と考えていただけるような企画提案をこれからも進めていきたいと思います。